瀬戸内国際芸術祭2019~小豆島~

ART遊び2019/8/28

まだ8月だというのに朝方には肌寒くなってきました。今年もお盆休みで混雑する前に1週間ほど夏休みを頂き、香川にある実家への帰省を兼ねて3年ごとに開催される瀬戸内国際芸術祭(通称:瀬戸芸)をたっぷり堪能した後、帰り道に京都に一泊して帰ってきました。燃費の良い車に買い替えてから夏は香川まで車で帰って途中どこかに寄り道というパターンが恒例になってきています。渋滞時期を避けているのと、新東名など高速道路もどんどんよくなっているので、新幹線や飛行機で帰るよりも予約を気にしなくてよくて結構気楽です。

この長い夏休みの写真を見直してみるとどの写真も真夏の強烈な太陽光のコントラストがとても眩しく、涼しくなって過ごしやすくなったとはいえこの猛烈に暑かった頃がすでに懐かしく感じつつあります。

瀬戸芸では今まで行ってなかった場所を重点に5島ほど巡りましたが、作品がとても印象深かったのが小豆島でした。小豆島は一番大きな島でとても1日では各作品を回りきれない感じで、以前に小豆島に一泊してまわった時でも、バスを利用してではいきにくいところも多く、今回は自家用車もあることなのでフェリーに車を積んで1日、島を巡りました。

入島してまず向かったのが草壁港/醤の郷地域 (参考:瀬戸芸サイト

建築家中山英之氏設計の公衆トイレ。

中国のシャン・ヤン氏の作品。中国の古い建具などを組み合わせた塔と船の作品。ノーチェックでしたがすごく有名なアーティストのようで作品もとても素晴らしい。

これもシャン・ヤン氏の作品でよーく見ると白壁を小豆島の人々の写真の輪郭に沿ってはがしとっていて、浮き出た下地の色味が何ともいえないいい味です。

はがした白壁のかけらも捨てずにパックしてあります。

オリーブ畑の中のリーゼント。

瀬戸芸を紹介する雑誌などで表紙によく使われていた写真家ジョルジュ・ルース氏の作品。古民家に真鍮箔を張ってある一点からは完全な円形が見えるという作品。とても立派な古民家を利用したジョルジュギャラリーという建物内にあって、こちらは瀬戸芸だけではなく通年見ることができるようです。ガイドの方が詳しく説明してくれて、このジョルジュ・ルース氏は写真を撮るためのインスタレーションを行ったあとすぐに作品を撤去してしまうのでこのように作品が残されてみることのできる場所は他にないこと、この円形を作り出すために京都の金箔職人が何人も泊りがけで作業していたこと、この円形をプロットするのにレーザーなどは使わないで非常にアナログ的に現場指示によって輪郭が決められたことなど興味深い話を聞かせてくれました。

2階の小屋裏にももう一つの作品がありました。瀬戸芸をやっていない時期でもここを目指して小豆島を訪れる人がいてもおかしくはないくらいオススメのギャラリーです。

その近くの古い会館の中は一面グレーに塗りこめられた空間が。リアルな子供たちや動物の彫刻もあり火山灰に埋まった遺跡のようにも感じられます。

醤油蔵だった建物なのか大きな蔵の中に水盤があって、その傍らのおりん(仏壇の)?を鳴らすとその音に反応して水盤に波紋が浮かびあがるというシンプルで美しい作品。

次に三都半島という地域に移動して点在する作品群をほぼ全て見て回りましたがこの作品がはすごかった。古い民家の内部を解体して土間が表れた状態の中に木の角柱が点在していて柱の先には樹木の模型が。

これだけ見ると意味がよくわからないのですが説明をとく見るとこの樹木は全て角柱を切り出したもので、実際に小豆島に自生している樹木をかたどったものでもあり、その配置も島の中に樹が生えている通りにプロットしたものであるということ。リサーチも作業量のすごさもコンセプトも秀逸だと思いました。

そのすぐ隣の民家にも電気仕掛けで家の中に音が鳴るという作品があったのですが、驚いたのが作品のなかにツバメの親子が住みついているのです。これも作品の一部なのかと考えましたがそんなことはないでしょう。


アサリの養殖をしていた建物を利用した作品。少しおどろおどろしいのですが夏はこれくらいの方が涼し気でよいです。


よくわからなかった犬と象の作品。島の歴史を関係があるようです。

2つの似たような作品。閉鎖空間の中に入って島の波や虫の音に耳をすませるというコンセプト。


ツリーハウスなのですが、巨大なカイブキの樹の中を通り抜けるような楽しい作品。

さすがに一日では車があっても島を全て巡ることはできず、必ず見たかったこの台湾のワン・ウェンチーの「小豆島の恋」という竹小屋の作品を最後に訪れました。3年前にもあってそれも見たのですが、経年で古くなって2代目の作品です。

他の島のレポートに続く。。。