丸亀~坂出

建物2011/1/10

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
このお正月の帰省中に、少しだけ建築巡りしてきました。
かなり好きな「杉本博司」展を開催中の丸亀の「猪熊弦一郎美術館」。
15年ぶりくらいに訪れました。
谷口吉生氏の他の美術館のように広い敷地の中で緑に囲まれて
いるわけでなくて、地方の小都市の駅前にいきなりあるのですが、
美術館の中に街路を取り入れたり、展示室の背後に丸亀の雑多な
街の景色をあえて見せたりする空間の構成は今見ても良かったです。
谷口さんの美術館は結構見てますが、これが一番良いと思います。

丸亀から坂出に足を延ばして、相田武文氏設計の「西園寺・無量寿堂・本堂」
コンクリートの片勾配の屋根に瓦の破風を積み重ねただけですが、しっかり、お寺っぽいです。
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思いの他、良くてびっくりしたのが「坂出・人工土地」。設計:大高正人。1968年竣工
人工地盤の上を敷地として団地が載っかっています。1階は駐車場と商店街。
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人工地盤の上には住人用の駐車場や菜園、小さな祠もあってまさに古びた街の様子。
住人もかなり高齢化している様子。路地にも相当年季が入ってます。
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人工地盤上の一画にはもう使われていないっぽい市民ホールもあるのですが
そこだけなぜかピンクで、バラガンの屋上テラス風。
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人工地盤を貫通して大木も生えていて、下階の駐車場に大木の根元が見える風景は
なかなか面白いです。(せんだいメディアテーク風)
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人工地盤の上につくられたまるで巨大セットのようにフィクションめいた街も、
その下にある地方都市も同様に寂れつつあるようですが、
人工地盤の上に街を創るという思想は歴史遺産のようにここに残っていました。

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