茶室と茶庭のあるバリアフリーな住まい「府中の家」

府中の家設計解説2017/11/22

2016年完成の『府中の家』は奥様の御実家を建て替えて高齢のお母様との同居するための家として計画されました。


既存の家は敷地も十分広く南側に大きな茶庭もあって日当たりも良く2階には茶道教室のための8帖の茶室がある家でした。

 

建て替えにあたっては既存の茶庭を極力残しつつ、今まで無かった駐車スペースを追加すること、御高齢のお母様のためのバリアフリーな家とすること、茶道教室は休止するものの4帖半の茶室を設けることが求められました。新しい間取りがこちら。

庭を残すため建物の配置は大きく変えることなく3人家族+お母様が同居するための日当たりがよい庭と縁側のある家ができあがりました。

玄関は以前の家と同じように西側の露地からひっそりとアプローチします。外壁は杉南京下見板張としました。塗装色は2種のブラウンを混合したこだわりの色です。


茶室は水屋も省略して小さくなりましたが1階に変更したため茶庭に面する縁側が付属。納まりきらない大量の茶道具は大きな畳下収納に収納されます。

茶室はお母様の寝室と続き間となっていて、日常的にはお母様専用の茶の間的に使用されることを想定しています。

共働きでお忙しい奥様のためにキッチン~パントリー~洗面、浴室と最短距離で結んだ家事動線は通路幅をメーターモジュールで広くし、車椅子対応のバリアフリーな1階動線としても想定。

総2階建てではなく一部2階建ての建物は細かく切妻屋根で分節しているため、古くからの住宅街に対して圧迫感を与えない落ち着いた雰囲気となりました。

写真では表れていませんがその他、階段下に設けた飼い猫のためのセンサー付き換気扇のあるトイレ、床壁タイル張の餌場の、キッチン近くののホワイトボード+マグネット塗装の壁などの工夫も取り入れた家です。