大きなワンルーム、犬のためのシンプルな家「佐助の家」

佐助の家設計解説2017/11/22

2010年完成の『佐助の家』は鎌倉の観光名所近くの奥まった場所にあります。

 

敷地は分譲地の突き当りにあってかなり変形した敷地ですが敷地面積自体はたっぷりあります。ローコスト化を図るために計画した建物の間取りがこちら。


4間x4間の正方形の間取りに3寸勾配の切妻屋根を架けたシンプルな建物です。間仕切りはあまり作らず家中が吹き抜け越しにオープンにつながったワンルーム的な家ですが、ソファや下足入、ベンチ、キッチンなど大きめの造作家具を作りつけることで様々な居場所をつくっています。


犬2匹と住まうための家でもあるので玄関前には足洗場。玄関ドアは引き戸として防犯しつつ風通しを図るための格子戸と網戸も設けました。

1階は犬のため全てテラコッタ調タイル張(床暖房有)の土間ですが、ベンチのある玄関土間とLDとは大きな下足入にて軽く仕切られています。

階段下には犬の留守番スペース。夏場の風通しを図るための通風窓も設けています。

足元に間接照明を設けた下足入の先には家具工事で作ったタイル張のキッチン。

TV台やダイニングテーブル、ダイニングベンチなどもシナ合板にてシンプルかつローコストにて製作しました。

構造材は柱、梁とも宮崎県の杉(飫肥杉)で全て仕上げています。2階床はトドマツの3層パネルでそれがそのまま1階天井仕上となって表れます。大きな造り付けソファはモックアップにて建て主に実際に座ってもらって寸法や角度を決めたもの。ソファ下は収納となっています。

キッチンの天板はモザイクタイル張。出窓部分も収納として利用しています。

2階の子供室、主寝室ともにLD吹き抜けとは建具無しでつながっています。

屋根の垂木と野地板もそのまま表し仕上。壁は珪藻土の施主施工にて仕上げています。