『鎌倉のリノベーション』完成

設計解説鎌倉のリノベーション2017/12/28

『鎌倉のリノベーション』は少し残工事が残っていますが予定通り年内に無事お引き渡しができ、お引越し前に完成写真を撮らせて頂きました。鉄筋コンクリート造共同住宅の一部である3階建てメゾネット形式のオーナー邸部分の改修で主に1階のLDとキッチン、水廻りについて少し間取りの変更も含めたリノベーションと2、3階寝室部分の一部内装工事の改修です。


既存の建物では置き場のない家具と家電で使いにくくなっていた家事動線を整理し、キッチン廻りの収納も造り付け家具にて収納量を確保。

少し暗くて寒そうだった洗面所には玄関からキッチンへと行き来できる動線を設け、日中は引込戸を開け放つことで玄関まで自然光が届くように変更。

以前はL型のキッチンで、広い割には物の置き場が不足し使いにくそうだったキッチンはコンパクトな2列型のキッチンに変更。システムキッチンは最低限のユニットだけ利用して上部の吊戸棚や背後のバックセットは造作家具にて製作し、フラットでなはい天井の高さを有効に使えるようにしました。猫が好きな場所だった窓際には専用の「まどろみカウンター?」も設置。壁のタイルは汚れが目立たないようにということでグレー系のつや消しタイルを目地無で貼っています。

キッチンの吊戸棚は使用頻度の高いアイレベルの高さの収納量を多めに確保して内部は全面水切棚としています。上部のあまり使用しない吊戸棚との奥行きの段差部分に細い間接照明を埋め込みました。また家事動線となる通路部分には床から天井までの壁面収納を設け、食器や食材他の収納量を確保しています。

LDとキッチンは対面式とすることも可能でしたがそうはせず、収納量を優先してキッチンをコンパクト化して余ったスペースに床から天井までの壁面収納を設けてキッチンとLDとを仕切っています。LDと玄関の境部分の引き込み戸には下部に猫扉も設けました。


ダイニングテーブルは以前から使用していたもので位置も変えていません。内外とも鉄筋コンクリート打ち放しで壁や天井などに無機質なコンクリート面や梁が露出していて少し冷たい印象だったLDは天井面を少し低くしたり、以前は分断して設置されていた窓のカーテンボックスを垂れ壁状にして隠し、少し住宅らしい印象となるようにしました。新たに生じる天井高さの段差部分には間接照明を隠しています。

日当たりが良すぎるせいか塗装も劣化してぼそぼそとなっていた床の複合フローリングはナラの無垢フローリングに全面張り替えています。TV台(置き式)も新たに製作しました。

 

ちなみに以前の建物はこんな感じでした。