金沢富山旅行~富山編1

建物遊び2018/3/20

2日目は富山で横浜、神奈川を中心とした建築家グループAA STUDIOと合流。地元富山の建築家青山善嗣さんに案内役を買って出て頂いて富山市~高岡市の有名建築散策となりました。


富山市内を走るトラム。昔ながらのデザインの路面電車と共存しつつ街の中心を縦横に走っています。

朝一にまず行ったのは完成してまだ新しい富山県美術館。内藤廣氏による設計です。富山県は地場産業として金属加工が昔から盛んで各アルミサッシメーカーが創業した地域でもあり、外観は立派なアルミカーテンウォールで覆われています。ここでも建築家メンバーの知り合いの学芸員の方に案内して頂きいろいろと解説して頂きました。


立地は環水公園に面する川沿いで、水災を想定してだと思いますが地下のない構造で1階に駐車場などのバックヤードを集約して、2階以上に展示室などのある構成。玄関アプローチと車寄せは真っ白なタイル張で植栽も施されていないのが意外でした。

天気も良く館内は日当たりが良すぎて暑いくらい。



アルミ鋳物をふんだんに使用したの階段手摺まわり。


川に面する屋外庭園と屋上広場が無料ゾーンとなっていて外部階段にて行き来できるようになっています。

テラスから見下ろす環水公園。この公園内のスターバックスの夜景がとても綺麗とのことですが残念ながら行く時間がありませんでした。背後にそびえるのは立山連峰。霞んでいなければこの数倍は美しいそうで、富山県を旅行する間いろんなところで地元の方が立山連峰のその美しさをとても誇りにしていることを実感しました。

グラフィックデザイナー佐藤卓氏がデザインした遊具が置いてある屋上庭園。

美術館内で昼食を手短に済ませて今度はガラス美術館や図書館、オフィスからなる複合ビル「キララ」へ。設計は隈研吾氏。ここでも隈事務所の担当スタッフでそのまま独立して富山に移住して活動されている建築家、齋田武亨氏の説明をして頂きました。


サッシレスでガラスはめ込みのディテールになっているという外壁パネル。

斜めに抜けていく巨大な吹き抜けと木材ルーバーの覆われた内装。施工は私が昔いた清水建設で、この巨大な吹き抜け避難安全検証を行った担当者は私の清水建設設計部時代の同期でした。


槇文彦氏による設計の富山国際会議場。外観はシンプル過ぎると思いましたが3階の会議場ホールとホワイエは素晴らしい空間。この日は使用されていなくてホールの中が見れなかったのが残念。


同じく槇氏設計の富山市民プラザ。


レンタカーを運転して富山市内を離れて高岡市の「能作」の新社屋へ。設計はアーキビジョンの広谷氏。インテリアにはデザイナーの小泉誠氏が関わっています。

特徴的なえんじ色の円筒と、真鍮板を張った玄関。


玄関風除け室が一輪挿しのギャラリーも兼ねてます。

鋳物の木型を美しく展示。木型の色がカラフルなのは担当した業者ごとにわかりやすいように色分けしているそうです。

鋳造の工場。蛍光灯をぶら下げた照明が工場らしくなくて良いです。下に見えるの大量の砂型。


奥に見えるテーブルコンロは錫の端切れ材を溶かして再利用するためのもの。錫は融点が低いのであっというまに溶けて液状化します。

研磨の工程。

お宝、財宝の山のような工場内。

研磨しているのはニューライトポタリーのペンダント照明でしょうか。。

館内のカフェ。

前庭の鐘。ヒット商品の呼び鈴を巨大化した形で実際に鳴らしてみましたが音は軽やかではなくガランガランと重厚。

高岡市から見る立山連峰。

これで富山の一日目のツアーは終わり。夜は引導して頂いた青山さん推薦のとても美味しい店で北陸の味をとことん堪能させて頂きました。