南麻布の家

近隣に各国大使館や高級マンションなどが建ち並ぶ都心のエリアの一角に、取り残されたように木造住宅が建ち並んでいる地域にある敷地。御夫婦二人の都心への通勤時間を考え、それまで神奈川県に住んでいた建て主の御実家を建て替えて住み直すという計画。4m道路に沿って敷地面積が80㎡程度に一様に分筆された宅地からなる区画に軒を連ねるように建てられていた似たような木造2階建て住宅は、すでにその半数ほどが建て替えられて一部は3階建てに変わるなどして様変わりしてきている。建物は整形な敷地を目一杯活かすようなボリュームとして東西に迫る隣家に対しては開口部を一切設けず南北の道路にのみ開口を設け、1階LDには上部に吹き抜けを設けることでなるべく多くの日照を得られるようにしている。その吹き抜けを中心として2階に設けられた2つの寝室は大きく開放できる引き込み戸にて吹き抜け、1階のLDともつながっている。また敷地地盤が道路面より少し高いことを利用して玄関の床レベルを下げた上部の1階と2階の間には中間階ロフトを設けた。外壁のガルバリウム鋼板、室内の漆喰塗りや針葉樹フローリング、LD上部の吹き抜け、ワンルーム的に開放的な間取り、ロフト、ステンレス製の対面キッチンなどは以前の家(建築家設計による)のイメージをそのまま踏襲したものでもある。

計画地
東京都港区
用途
一戸建ての専用住宅
主要構造
木造在来工法
敷地面積
83.73㎡
延べ面積
95.35㎡
完成年月
2019年7月