年の瀬に現場始める

本牧和田の家2021/12/24

年の瀬が迫っていますがここで久々の現場が始まりました。一時的に実施設計が集中していて着工待ちだった案件の一つで横浜の本牧地区に建てる外国人向けの戸建て賃貸住宅です。以前同じ横浜市の山手地区に外国人向け賃貸住宅を設計したことがあり(谷戸坂の家)、そちらの建て主さんからの御紹介があって始まった計画です。横浜市の中区はインターナショナルスクールもあったり外国人向けの賃貸住宅の需要が多く、一般的な賃貸住宅よりも賃料もかなり高く設定できます。葉山や横須賀周辺にも米軍の軍人、軍属向け外国人用賃貸住宅の需要があって住宅手当も手厚いそうです(日本の物価が安いということもあるのでしょうが)。但し外国人向けの住宅となると日本の普通の家だと狭すぎるなどあり、独特の間取りや好みなど多少の設計のノウハウが必要となります。この家に関しては将来的には建て主さんご家族が住む想定もあり、新コロナの影響もあってもしかすると最初から建て主さんがここに住むかもしれないという少しあいまいな条件でスタートした計画です。

敷地はいわゆる横浜の高級住宅地の本牧和田地区、戦後米軍に接収されたいて「フェンスの向こうのアメリカ」と呼ばれた一画ですが、返還後40年近くたち住人の代替わりなどで現在かなり建て替えが進んでいる地域です。かなり以前に一度この地区で住宅を設計したこともあります(百日紅の家)。

まずは地縄の確認。明日から地盤改良工事、年内に基礎工事着工までいくそうです。

無電柱化が徹底された街並み、建築協定による細かな建築制限もあって街路も広く美しい街並みですがこの計画で一番苦労したのがこの建築協定。もちろん協定をきっちり守った設計なのですが、住人の高齢化が進んでいるせいかこの協定を運営する住人組織がほぼ機能していない様子で、連絡一つとるだけで大変な苦労をする羽目になりました。新しい住人世代でしっかりこの建築協定を受け継いでもらわないといつかこの街並みも失われてしまうのではないかと懸念してしまいます。