葉山のアトリエ解説(6)~内部仕上

葉山のアトリエ設計解説2017/8/25

葉山のアトリエは小さい家ですが試験的に内部仕上は各階ごとに少しづつ変えています。1階の内壁はギャラリーとしての利用を想定しているので釘跡などの補修のしやすいクロス張+ペンキ塗、床は土間コンクリート(温水床暖房打込)+表面硬化剤のシールハード塗、天井は2階床下地の杉3層パネルの表し仕上げとしています。衝立ての向こう側がワークスペースですが2本見えている柱はここだけ細めの鉄骨柱として黒い塗装を施しています。

2階の内壁は砂漆喰塗りとしました。床は北海道産のナラフローリング(乱尺)+桐油塗り。狭い空間なのでナラフローリングの幅も12センチのものとしましたが、この床をヨーロッパ産オーク材の幅広フローリングとすればもう少しすっきりした感じになっていたと思います。フローリングは杉などの柔らかい板の選択肢もあったのですが傷を気にせずラフに使えるようにナラとしました。天井は1階と同じく杉三層パネルの表し仕上げです。表しとなっている梁材は島根県の地松です。家具や建具の面材は基本タモの突板(板目)です。

3階の寝室の床はタイルカーペット張(自主施工)としました。床でごろごろできるのと埃が意外と気にならないのがカーペットの利点です。サイザルカーペットも検討したのですがコスト差が大きく断念しました。ロールではなくタイルカーペットとしたのは将来的に猫を飼うかもしれない理由からです。3階のみ天井は梁を見せないフラットな天井(高さ2.1m)ですが、壁と天井はグレー色のポーターズペイント(自主施工)で仕上げました。ポーターズペイントの自主施工経験は豊富なのですが、慣れると塗るのも早いです。刷毛ムラが味になるのと砂混じりの水性塗装のため表面硬度が固くクラックが入りにくく汚れも目立ちにくいのが良い点です。自主施工ならかなり安く仕上げられます。壁の一部は杉の縦羽目板張りとしました。

その他トイレや洗面室水廻りの床のみは少し枯れた色の長方形コルクタイルにて仕上げていて、洗面廻りやキッチン廻りに4種類のタイルをアクセントとして使用しています。