スキップフロアとロフトのある家「逗子の家」

設計解説逗子の家2017/9/13

2014年に完成した「逗子の家」は逗子海岸に近い閑静な住宅街の一角にあり、北側に面する道路への間口が少し狭く南北に細長い敷地。この家は家全体をスキップフロアの構成にしてあってそれが道路側の外観にも特徴となって表れています。道路からみたボリューム的には2階建てと3階建てがスリットを介して並んであるように見えますが、3階建てに見える部分もロフト+中2階+ロフト+3階という断面構成となっていて法規的には2階建てという扱いとなります。

家族構成は夫婦+子供4人ですが子供部屋の扱いは厳密でなく4人まとめて大部屋としておいて、受験勉強など個室化の必要があれば予備室的に設けた最上階のコミュニティルーム(遊び部屋)などを都度利用していこうという考え。ローコスト化のために3階建てにはせず建物もコンパクトにまとめていて、但し収納量を確保のために2ヶ所の大型の床下ロフトを設けました。


敷地の南側には3階建てに近い建物が面しているため、2階に設けたLDKは日当たり確保のために大きな吹き抜けと高窓を設置。吹き抜けには登り棒やぶら下がり棒も設けました。


キッチンは奥様の要望もあってフラットなアイランドキッチンを家具工事にて製作。

御要望もあって室内の戸は玄関も含めて全て引き戸。内装は杉板とスイス漆喰(施主施工)の組み合わせ。LD吹き抜けには広さ40帖相当まで対応できるペレットストーブを設けました。高価になる煙突の設置が不要なタイプで床暖房や薪ストーブを設置するよりもかなりローコストな暖房です。

大家族向けに洗面台は2ボウルを採用。電気式のタオルウォーマーも設置しています。

2階部分の屋上は広いテラスとしてウッドデッキは施主工事にて張って頂きました。タラップにて3階部分の屋上まで登れば何とか海まで見えます。

外壁には素朴な焼杉の素焼(炭をそのまま残した仕上げ)を張ったローコストな家ですが、道路側の黒くて窓の少ないファサードと2つの大小のボリュームの遠近感を操作することでモダンさも感じさせる家となりました。