小林敬三美術館
建物遊び2022/7/4
軽井沢で車なしで一人行動するということになって、なかなかできなかった地方の電車に乗る小さな旅を企画。しなの鉄道に乗って小諸に行くことに。
どこに行くのも車で、四国に帰省するのも車、九州の仕事でも駅からレンタカーという感じだったので電車に乗るのが新鮮です。
車窓からの眺め。軽井沢町役場の横の軽井沢中学が立派な校舎に建て替わっていますが、前から問題多いと指摘している軽井沢の景観条例のせいか、変な屋根と地味すぎる色使いで老人施設のような建物となっています。
遠方の山の中にそびえて見えるのは小諸市文化センター(宮本忠長設計)。こちらの建築も良さそうです。
小諸の駅を降りてすぐ目の前の懐古園へ。広大な城址公園で遊園地や動物園などいろいろな施設が公園内にあります。園内の蕎麦屋(有名らしい)で食べたクルミ蕎麦がとても美味しかった。
目当ての小林敬三美術館。この建築の存在を知りませんでしたが村野藤吾の設計です。
この建築がとにかくとんでもない変わった建築で外から見てもどうなっているやら検討がつかない造形です。
鼻みたいな出窓やら、笠のような屋根、平面が想像できないです。
とてもこれは私には設計できなさそう。。
内部も変わっていて最上部のエントランスから入ると千曲川を見下ろすロビーがあってそこから2つの房のように別れた展示室へはいりますが、展示室内の床がゆるやかに傾斜しているので自然と奥まで歩みを進めることとなります。軽井沢の千住博美術館(西沢立衛設計)も床が傾斜していますがここを参考としているのかも。
懐古園の園内には他にも谷口吉郎設計の藤村記念館や、
作者不明らしい小諸市立郷土博物館(すでに閉館)という建築もすぐそばにあります。この建築はどう見ても前川国男設計のように見えますが、弟子の誰かが設計したものでしょうか。。小さめのスケールが素晴らしくて師匠を超えているのではないかと思えます。
小諸の町は駅の反対側はとても寂しい感じとなっていて、地元の喫茶店のマスターに聞いたところ隣の町に新幹線の駅(佐久平?)が出来て以来、この町は20年時間が止まっているとのこと。最近はワイナリーとかに町として力を入れているそうです。他にもいろいろと教えてくれましたが小諸の城下町はお城から坂を上った先にあるという立地で、これは日本で唯一の城下町より低い天守閣だそうです。小林敬三美術館の展示室のゆるくスロープを下る床もこのことからヒントを得ているのかもしれませんね。