解体工事に入っている丸の内の東京海上日動ビル。前川国男設計のこのビル、解体が決まって保存運動が起こるまでその存在をほぼ認識していませんでしたが、消えて無くなる前に見れて良かった。シンプルに雁行しているだけのビルなのですが、確かにレンガの奥行きの深い格子フレーム（縦勝ち）で出隅やトップにフレームをまわしていない点などかなり独特です。シンプルなフレームの中の微小な操作だけで全体を貫く感じが良いですね。築４８年ということなのでちょっと短かったでしょうか、、ロケーションが良すぎても建築の寿命が縮む傾向があるような気がします。建て替え後の設計者はレンゾ・ピアノだそうです。価値のある建築物を全て保存するべきとは思っていませんが、新しく建つものがさらに上まわってくれるようなものであればよいですね。