若人の広場/丹下健三

建物2008/8/15

丹下健三の隠れた名作が淡路島にあるということを最近知ったので
イサムノグチ庭園美術館のあと、そのまま淡路島へ。
四国からはうず潮で有名な鳴門海峡にかかる大鳴門橋(高速道路)を
越えればすぐです。
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「若人の広場」というこの施設。戦没した学徒を慰霊する慰霊塔と資料館、
宿泊施設で構成されているのですが運営する財団が破綻して廃墟と
化しています。今は地元の人の働きかけによってなんとか内部には
入れるようになっています。
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城壁のような資料館。
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資料館を廻り込むアプローチ。小階段によるアップダウンも多くてなかなか先を見せてくれません。
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阪神淡路大地震のせいか、ところどころ石積がこぼれおちています。
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絶景の見渡せるポイントに導かれその先に慰霊塔が聳え立っています。
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戦没した学徒を慰霊するということで「ペン先」をモチーフとしているらしいのですが、
これ以外の形が考えられないほどに素晴らしい。
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足元の点火台と献花台?
「若人よ 天と地をつなぐ灯火たれ」と刻まれています。
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銘板も朽ち果てかかっています。私の生まれ年と同じ、昭和42年築だそうです。
400万人動員された14歳から22歳までの男女学徒のうち20万人が亡くなって
学び舎に帰れなかったとのこと。
「若人よ 不純の劫火を消せ 若人よ不屈の理念を燃やせ 若人はここに巨歩を発するのだ」
と刻まれてあります。
思えば今日は終戦記念日ですね。。。合掌。
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このまま空高くまで舞い上がってしまえそうな形。
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資料館の内部。勝手に入れますがすごく広いこの敷地に誰一人いません。
大の大人の男二人で昼間に行ったのですが、それでもかなり怖いです。
廃墟マニアの人なら楽しめるかもしれませんが。
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ボールトの連続天井とハイサイドライトの刻むリズムの軽快さと、荒々しい構造表現主義。
複雑につながる動線と立体構成。これはやはり丹下健三の名作です!
代々木オリンピックプール、香川県庁舎、広島平和記念資料館などの名作と横並びに
しても全然おかしくないと思います。
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地震の被害なのか、ボールト天井のコンクリートが一部崩壊して鉄筋が露出していて
これは結構やばいです。
「施設内の立ち入りは自己責任でお願いします」と看板も出ているので
見に行く人はそのおつもりで。
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山の頂上付近にあってロケーションも最高です。海の向こうに見えるのは四国。
ここは来て良かった。収穫です。

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