長崎原爆死没者追悼平和祈念館
建物2010/3/6
長崎ではすごい建築と出会いました。
「長崎原爆死没者追悼平和祈念館」
詳しい情報も持たずに入ったのですが、びっくりしました。
素晴らしい建築です。
円形の生垣に囲まれた建物へのアプローチをガラスのファサードが受け止めます。
中に踏み入れると水盤を廻り込むように誘われます。
ガラスのボックス裏に広がる静謐な水盤の空間。
夜はこの水盤に原爆の死者数と同じ70000個の光ファイバーが点灯するらしいです。
良く見ると黒い御影石に無数の光ファイバーの孔があいていて、その施工に敬服。
これを知っていたら夜も絶対来たかったのに。
水盤の下へ潜り込んでいく階段。この辺の演出は淡路島の本福寺水御堂と
同じですが、とても゙ラマチック。
地下にある回廊。静かな空間の中に水が滴り落ちるかすかな音がしていて
死没者の苦痛を癒しているような気がします。
館内の展示はとてもシンプル。前室では死没者の氏名と顔写真を
モニター上のスライドショーで見て追悼空間へ。
天井の高い巨大な空間にそびえるガラスの列柱。
正面には死没者の名簿が安置されてます。
交流コーナーに面する屋外コート。ここにも上部の水盤からの
水が流れ落ちてきます。
暗い地下へ天からの光を落とす列柱。その軸線上に爆心地があるそうです。
教会と似た側廊形式の空間構成で、とても心打たれる祈りの空間。
秀逸なモダンデザインの極致のような建築で、水盤、ガラスボックス、
地下、光、軸線、、空間手法としては極めて常套的な手法しか
使っていないのですが、「素晴らしい」としか言いようがない建築でした。
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