夏の見える家

葉山移住2022/1/25

永井宏氏に直接お会いしたことはなかったが、葉山の町をだんだんと好きになって住むようになってみるとやはり彼がこの町や人などに残していった余韻のようなものを何となく感じている。葉山の昔などに興味を持つうちに永井氏の著したエッセイなどはかなり読んでいて、この町に暮らすようになって生活が変化していく様子を自分の今と照らし合わせつつ面白く読むことができる。永井氏が一色海岸の近くの一軒家を借りて過ごした時期の著作に「夏の見える家」という本があり、御用邸の近所のあのいかにも葉山らしい場所でののんびりした暮らしがありありと伝わってくる。

この度御縁があって、当時のまま残っているこの古い家の建て替えの設計を私が請け負うことになった。葉山でもどんどん少なくなっていく白い下見板張の米軍の将校向けにデザインされたらしい家。年月が経って町の様子も変わり法規も厳しくなってこの雰囲気のまま建て替えることは難しいのだけれどこの場所によく似合う家としたいと思っている。