平屋のアトリエが上棟

宮崎のアトリエ2022/2/18

「宮崎のアトリエ」が上棟したタイミングで再び宮崎県三股町の現場へ。

以前2階建ての倉庫が建っていた位置にそのまま建てた平屋の切妻屋根のアトリエ。素朴な木造の風情なのですがメーターモジュールで床面積は88平米あり、3階建ての私の自宅兼アトリエとほぼ変わらない広さです。大きめのスケールに合わせて軒の出もかなり深め(1.2m)に取っています。アトリエとしての使用上直射日光は不要ということでしたが、南側の道路面に向かって飾り窓替わりの出窓を設けています。背後の山には杉と桧、花粉症の私には気になりますが花粉はすでに飛んでいるそうで地元の人間は杉の花粉症にはなったりしないそう。

母屋側の中央にアトリエの玄関。間取りもとてもシンプルなものとしています。

アトリエ内部。都内の現アトリエから引っ越しに先行して搬送されたばかりの版画プレス機2台がすでに所定の位置にセットされています(重いので専門業者でないと搬送が出来ないそうです)。外壁下地にいつもなら使う構造用合板が価格高騰+入手困難のため、減額対応で構造計算を見直し筋交いだけで持たせる昔ながらの構法とし合板無しに変更しました。透湿防水シート越しに透過光が入ってくる感じが逆に新鮮に感じます。

こちらは既存の母屋の内装を解体した様子。築30年ちょっとの家で既存図面も残っていないのでこの段階で柱や筋交いの位置や梁の配置などをチェックします。小屋組みは複雑ですが、柱や筋交いの位置は間取りから察したほぼ想定通りで大きな問題はなし。間取りのモジュールは九州地方では主流らしい955mm(関東は909mm)。

2階からすでに内装仕上げが始まっています。石膏ボードを使用したくない要望により壁天井は全てOSB合板張素地。これもシナ合板やラワン合板不足に対応して変更したもの。既存の家の外壁には断熱材どころか透湿防水シートも外壁下地合板もなく柱の内外両面に杉板を張ったのみということが分かっていて、新たに室内側からスチレンフォームの断熱材を柱間にはめ込んでテープ張で最低限の気密性を確保するようにしています。

既存の小屋組からあまり見かけないものが。。上棟時に使用する幣串を今でも小屋組み内に隠していますが、これはもっと本格的な「矢羽根」のようで形状が2種類あり(これは蛙股矢)もう1種類も屋根のどこかに隠されているだろうということです。まだまだ知らないことが沢山ありますね。