英国アンティーク博物館

建物2022/10/31

鎌倉の若宮大路に新しくできた英国アンティーク博物館をちょっと覗いてきました。設計は隈研吾氏ですがいわゆる「隈研吾イズム」の極致というかとても隈さんらしい建築でした。とても小さい敷地に建つ小さな建物なのですが、若宮大路に面する正面ファサードは木製ルーバーによる凹凸で”なぐり”の表現をしていてかなり手が込んでいます。木製ルーバーと言えば隈さんの建物には必ずついてくるものですが、ここではかなり丁寧にデザインされているように思います。この白っぽい表層と一転して内部はとても簡素な空間で鉄骨と外壁のALC版をそのまま表しとしていて黒く塗っただけの空間に、かなりキッチュに見えるアンティークの家具などが所狭しと陳列されていました。こういう隈さんの大胆な割り切りの仕方というのが建築設計業界からの批判を受けやすく私もずっと好きではなかったのですが、最近は逆にすごいと思えるようになってきました。細部までこだわって設計せずにいられない建築家に比べて、おそらく工事費は相当安く、ネームバリューに対するコストパフォーマンスも良くて、民間企業のオーナーにも説明しやすく理解されやすいのが受けている理由なのだろうと思えます。